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マツ(兄)
エリアの話をする前にちょっと一服。。。

前回の記事で、その3は「入居需要の見込めるエリアとはどこか?」について書くとしていましたが、その前に、取引開始する前に押さえておくべき情報を纏めておきます。

目次

不動産の初期設定

物件検討時に押さえておくべき情報

不動産取引全般の確認事項

不動産の初期設定

メリット・デメリットの記事でもかいた通り、購入時の初期設定を間違うと、いくらその後の管理運営をうまく行ったとしてもリカバリーがかなり困難になります。
つまり適切な条件設定を行うことが成功への近道と言えます。

①土地・建物割合を確認せよ!

不動産投資で手残りキャッシュフローを大きくするためには、税金のコントロール(タックスマネジメント)が重要であり、そのカギとなるのが減価償却です。
不動産投資における減価償却とは、「お金は出ていかないけれど、経費にできる」というものです。
しかし初期設定を間違った場合、このタックスマネジメントは失敗します。

通常、収益物件の価格は総額で表示されていますが、実際の内訳は土地と建物の価格に分かれます。そして、その割合がタックスマネジメントに大きな影響をあたえるのです。

例えば、総額1億円の物件の土地・建物割合が5:5の場合、価格はそれぞれ5000万円です。
そして、ここで注意しなければならないのは、減価償却は建物にのみ適用されるということです。
(この場合、建物価格の5000万円が償却することができる)

買主は減価償却費を多く取ったほうが節税効果は高くなるため、建物の割合が多いほうが有利になります。

売買契約書に土地・建物金額が明記されていない場合、固定資産税評価額の按分(あんぶん)で土地・建物の割合を決めることが多いのですが、築年数が経過した木造物件などでは土地の固定資産税評価額が割合的に大きく
なり、結果、減価償却が少なくなるため注意しなければいけません。

※売主が不動産会社・建設会社の場合、多くが消費税課税事業者となります(これは消費税を納める義務がある事業者のこと)。消費税は建物の売却金額に対して課税されるため、建物割合をできる限り抑えたほうが売主としては得になるのです。

②融資条件は長く設定せよ!

投資規模を拡大していくためには、融資をどのように設定するかが大事です。

別な資産背景を持たない人にとっては、毎年得られるキャッシュフローを次の投資原資として再投資することで規模の拡大を図ることができます。

よって、融資は「できるだけ長く借りる」が基本方針となります。長く借りることで毎年のキャッシュフローを潤沢にし、次の投資に回す。または、得られたキャッシュフローを累積させて現金を内部留保することで経営
の安定化を図ることもできるのです。

長期借入をせずに、10~15年程度で融資を組んだ場合はどうなるでしょう?
将来の金利上昇リスクを見据え、早期返済するという考えです。

かし、この選択はすべきではありません(資金が潤沢な人は別ですが)。

万一有事が発生し、急な出費を迫られた場合に対処のしようがなくなるからです。
金融機関は一度貸し出した融資について、返済期間を当初より延長することは原則ありません。もし延長を申し出ると、賃貸経営がうまくいっておらず、現金が回らなくなったとみなされ、今後の融資に大きくマイナスの印象を与えます。
それならば、最初から長期で借りておけば安心ですし、貯金がたまった段階で一括返済をすればよいのです。

以上のことを上手に設定することで今後のリスクを抑えることができます。

物件検討時に押さえておくべき情報

物件検討時には、以下の点を確認しておくことで、運営する上でのトラブルを抑えることができます。

・レントロール

入居者情報の一覧表。賃料・共益費などの賃貸借契約条件、入居時期、入居者属性などが確認できます。
チェックすべき項目で一番大事なのは、賃料・共益費です。

中古であれ新築であれ、レントロールを確認する際には、現在の賃料相場ですべての住戸(じゅうこ)の賃料を引き直して、「年間満室想定賃料」を計算する必要があります。この年間満室想定賃料は、不動産投資において、非常に重要な数字です。また、築年数が経過した時の賃料下落がどれくらいになるのか確認すべし。

・賃料滞納の有無(履歴含む)
万一の滞納時に、賃料を立て替え保証してくれる賃料保証会社の加入状況を確認しておきましょう。

・大規模修繕履歴
築年数が長いのに修理したことが無かったため、物件を買った直後に大修理。。。なんてことにならないよう、事前に修理履歴を確認しておきましょう。
購入後に賃貸管理を委託する予定の管理会社や工事会社に事前に見積もりを取っておけば、将来発生する費用を事前に把握できます。

・運営費用(ランニングコスト)
物件の真の利回りを算出するためにも把握することが絶対条件。
代表的な項目は以下の通り。

固定資産税・都市計画税 建物管理費(定期清掃、受水槽清掃点検、消防用設備点検、エレベーター点検
水道光熱費 管理手数料 火災保険・地震保険料
その他にも、
ケーブルテレビの負担費用 インターネットの負担費用 ごみ収集費用 水道検針費用 
町内会費など

・法定点検実施履歴
消防用設備点検や受水槽清掃点検が長期間実施されていない物件は、意外に多いため購入時は注意が必要です。
また、自身が保有する際は、法定点検は必ず実施しましょう。事故が起こった場合、所有者が責任を負います。

・敷金返還義務
関東圏と関西圏では敷金の取り扱いが大きく異なるため注意しましょう。

関東圏では、物件所有者が変わる場合、敷金(つまり預り金)も引き継がれるが、関西圏はそうではないことが多いです。敷金は以前の所有者に支払われていますが、それが引き継がれないため、入居者が退去するときに、現所有者が自腹で敷金を返済しなければならない場合があります。

・ペット飼育の履歴
ペット可にすることは空室対策になりますが、一方で退去時に多額のリフォーム費用が発生する場合があるため注意が必要です。賃貸借契約書に、ペット飼育に起因する汚損部分のリフォーム費用が借主負担となっているか等確認しておきましょう。

・外国人入居者の有無
連帯保証人または緊急連絡先および実際の連絡先、賃料保証会社への加入状況などを確認しておきましょう。

不動産取引全般の確認事項

・接道幅員(ふくいん)
・境界標、筆界確認書の有無
・境界紛争の有無
・旗竿地(細長い突出部がある土地のこと)かどうか、その場合の規制
・第三者の敷地利用の有無;上下水道の埋没配管や汚水枡など通っていないか、
権利関係の整理をする
・シロアリ被害の有無;木造建築の場合、過去の被害履歴、直近の防蟻処理(ぼ
うぎ)実施時期を確認すべし
・事故物件の履歴
・高圧電線の有無
・建築確認済証(かくにんずみしょう)、完了検査済証の有無
・用途変更の有無

ざっと挙げました。対応の良い管理会社であれば、これらの説明をしてくれます。
その説明の有無で信頼して管理を任せられるか否か、ひとつの判断材料としても
良いと思います。

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